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工房は大きく分けて、材木置場と金工台、事務所、機械室、組立室に分かれています。
金工は木工より汚れますから、材木置場の一角に作業スペースが置かれています。
機械室には木材を切ったり削ったりするための大型木工機械が並び、一般の木工所と変わりのない風景です。その建物の一角に小さな事務所があります。組立場はオルガンの各セクションや、全体を組み立てる場所で、6メーター近いオルガンまで組み立てる事ができます。建物の三辺にはバルコニーがあり、そこを作業足場として仕事をする事もできます。
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材木置場
一仕事が終わったので、木材のストックは随分少なくなってしまいました。買い足しておきたいのですが、使うあてのない物に対する投資はなかなか・・・。
オルガンには何種類もの木材が使用され、その用途に応じた木が使われます。ここには針葉樹のスブルース、モミなど、広葉樹のナラ、カエデ、ケヤキ、エンジュ、テンポナシ、ブナ、特殊な用途に使う紫檀などがあります。 また、楽器の一部に使用されるシナ共芯合板、シナランバーコア合板、ナラ化粧合板なども用意されています。
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金工台
材木置場の一角にある金工台です。ここで金属素材を切ったり溶接やロウ付けをします。ほとんどの場合、丸棒、角棒、パイプ、板などの素材から加工します。切削屑が製品の木に食い込むのを避けるために、あえて外で作業をします。
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サンドブラスター
圧縮空気で砂を吹き付け、金属に付いた錆を落としたり溶接やロウ付けの際のフラックスを落とすのに使います。
コンプレッサーの容量が少ないので、サブタンクを連結して仕事をします。買ったのはガンだけで、照明付きのケースは自家製です。
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事務所
狭いながらも楽しい我が家?ライティングデスク、パソコン、ドラフターなどが見えますが、写真手前の見えない部分には自家製の本棚を兼ねた幅広デスク、背の高い本棚、写真の収納棚、コピー機などなど、人と人がすれ違えないほど色々な物が詰め込まれた部屋です。
場所がないので、電話やファックス、小物収納ケース、写真収納棚などは壁に取り付けられています。CAD全盛の時代に、いまだにドラフターを使っていますが、手書きで描きあげられた精密図面は芸術的な美しささえ持っていると感じています。
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伎芸天 様
芸術の神様で、東洋のミューズとも
呼ばれています。
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しかしながら、どうも信心が足らない様で・・・・。
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材木置場から引き出してきた板状の原木を、ここで削ったり切ったりします。比較的荒い仕事をする部屋です。
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大型丸鋸盤
縦挽き、横挽き、角度切りが自在にできます。工房のスペースが限られているので延長テーブルは取り外してあります。
大きな仕事をする時には不可欠な機械です。
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手押し鉋盤
木材の面を平らに削り、加工の基準面を作ります。また、直角に二面の基準面を作ることもできます。
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自動鉋盤
手押し鉋盤で作った基準面を基にして、木材を一定の厚さに削りだします。鉋屑はダクトで集塵機に集められる仕組みになっています。
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集塵機
鋸屑や鉋屑は強力な集塵機に集められます。機械がフル稼働している時はすぐに満タンになってしまいますが、これがなければ濛濛たる粉塵の中で仕事をしなければいけません。
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木工旋盤
ノブやグリップなどの小さな部品の挽き物をするのに使います。 |
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機械場で所定の寸法に削りだされた木材を、さらに精密に加工します。パイプオルガンの制作は大胆かつ繊細に、と言いますが、ここでは0.1mm単位の作業が行われます。
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作業台
作業台はドイツの木工職人が使うもので、左右に二つの万力を備えています。その万力に材料を固定すれば、両手を使って作業ができます。自分で材料を押さえる必要がないので、作業に充分な力が入りますし、何より安全!鋸で自分の指を挽く様な事故は起きません。ブナのムク材でできているので、少々重いものを固定してもびくともしません。
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手道具
様々な手道具が見られますが、ちょっと手を伸ばせば欲しい道具が取れる様にレイアウトしてあります。職人さんによってもやり方は違うでしょうが、いちいち道具を探しているようでは仕事になりません。ここに見えているのは頻繁に使う物だけで、この倍以上の道具が作業台の周りにあります。道具貧乏なんて言う言葉はありませんでしたかね・・・。
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小型ボール盤
小さな部品を作るときに使用します。安価な機械ですが結構使えます。大型ボール盤が使用中の時などにも重宝します。
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小型丸鋸盤
機械場にあるものよりは小型ですが、縦挽き、横挽き、角度切りなどのすべての機能を備えており、精密な加工ができます。
ドイツ製の機械なのでスライドテーブルの位置が日本製機械とは逆です。私にとっては、この方が慣れているのです。
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大型ボール盤
懐も深く、大きな材料の穴あけに使えます。三相200Xの機械ですから、静かで力もあります。 |
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クランプ
ドイツ製のクランプで、見習い時代から使い慣れていますし堅牢で信頼できる製品です。木組みや接着の時に強力に締め込むための道具です。長さも懐の深さも様々です。長い物では2mもあり、懐の深い物では30cmもあります。
こんな極端な物はめったに使わないのですが、ないと困る代物です。全部で200丁近くあるかと思いますが、フル稼働すると、それでも足らない時もあります。
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安全装備
大きなオルガンになると高さが10mを超えることもあります。そのオルガンが4mの高さのバルコニーに建てられるとすると、簡単な足し算です。下から見上げている時は特に感じません。ただ、首が疲れるだけです。しかし、そのオルガンの頂点に立って下を見ると・・・。ご想像にお任せします。
いずれにしても、身の安全確保は重要ですし、重い部材を吊り上げたりする事も頻繁にあります。そのためには、ヘルメットや安全ベルトは不可欠ですし、ロープや締結帯なども使いこなせないといけません。
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