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 都内にある日本基督教団 信濃町教会から、福島県須賀川市の日本基督教団 須賀川教会へ、1台のパイプオルガンが移設されました。比較的小型のオルガンですが、そのままの状態では搬送できません。解体してバルコニーから降ろし、各部品ごとに梱包されて須賀川まで運ばれました。須賀川教会においてもバルコニーの上に設置されます。

 信濃町教会に設置されていた時の写真です。大きな会堂なので、オルガンはいささか非力な感じがしました。教会は石造りで時代を感じさせてくれる立派な物ですが、老朽化と地震対策の面から考えて、新しく建てられる事になったそうです。磨り減った階段の石の手すりには捨てがたい魅力があったのを覚えています。




 解体して運び込まれたオルガンは、とりあえず会堂をいっぱいに使って置かれます。これから順次開梱されて組み立てが始まります。パイプ (笛) は運送中に痛まない様に、特に念入りに梱包されています。

 設置場所のバルコニーです。オルガンの重量に耐えるために建物の補強もされました。階段が狭いので、大きな部品はバルコニーに吊り上げられます。

 オルガン左手から見たところです。ケースが組み立てられて、最も重い風箱も組み込まれました。

 せっかくの機会ですから、フイゴに使われているラバークロスは新しく貼り換えます。解体されている時は普段できない色々な仕事をする良いチャンスでもあります。

 オルガン背面から見たところです。手鍵盤と足鍵盤のメカニズムが組み込まれ。パイプに風を供給する電動送風機が取り付けられました。


 ストップアクション (音色選択機構) や手鍵盤も取り付けられて、基本的なメカニズムの組み立ては終わりです。

足鍵盤も組み込まれました。


ケースの一番奥にあるGedeckt 8' (写真左)が取り付けられます。このパイプはオルガンの背面にレイアウトされた Subbass 16' (写真右)とのトランスミッション (共用) です。


オルガンの中に組み込まれるメタルパイプです。一音ごとにパイプのサイズが変わっているのが分かります。

長い間にパイプ内部にたまったホコリはパイプの発音に影響するので、筆を使って丁寧に取り除かれます。


楽器の奥から順番に整音をしつつパイプを収めていきます。パイプの発音の仕方、音質、音量などを調整して、音の粒を揃えていく作業です。下の会堂で響きを聴き、一本一本のパイプを調整する根気と集中力が要ります。


 フロントパイプの研磨作業です。でできたパイプは徐々に輝きが失われていきます。歴史的なオルガンの場合は、ねずみ色に変わったパイプをピカピカに磨き上げたりしてはナンセンスですが、新しい楽器の場合はフロントパイプの輝きは魅力的です。


組み立て完成後に早速試弾です。

オルガンの移設は無事イースターに間に合いました。



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